認知症の親の食事が心配なご家族へ|安否確認付き配食サービスという選択肢

配食サービスと認知症
杉山 制空

「母がちゃんとご飯を食べているのか分からない」「冷蔵庫に古い食品がたまっている」「火を使うのが心配」・・・認知症のご家族を在宅で支えている方から、こうしたご相談を多くいただきます。

結論からお伝えすると、認知症の方の食事を支えるうえで大切なのは、栄養のとれた食事を「届ける」ことと、配達のたびに「会って様子を確かめる」ことをセットにすることです。手渡しで安否確認をしてくれる配食サービスは、食事の心配と見守りの心配を同時に軽くしてくれる、在宅生活の心強い支えになります。

この記事では、認知症の方の一人暮らしで起こりやすい食事のトラブル、配食サービスを利用するときの具体的な注意点、選び方のチェックポイント、そして宝塚市・西宮市の相談窓口までをまとめてご紹介します。


目次

結論:認知症の方には「手渡し+安否確認」の配食サービスがお薦めです

認知症の方が配食サービスを利用する場合、次の3点を満たすサービスを選ぶと安心です。

毎回、手渡しで届けてくれる(置き配ではなく、ご本人と顔を合わせる)

配達時に安否確認をしてくれる(いつもと様子が違うときに気づいてもらえる)

異変があったときに、ご家族やケアマネジャーへ連絡してくれる

お弁当が玄関先に置かれているだけでは、ご本人が受け取ったのか、食べたのかは分かりません。配達員が毎回ご本人と会うことで、「食事が届く」ことが「毎日の見守り」にもなります。

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認知症の方の一人暮らしで起こりやすい食事のトラブル

認知症になると、記憶や判断の力が少しずつ変化し、食事にもさまざまな影響が出てきます。代表的なものを見ていきましょう。

食べたことを忘れる・何度も食べてしまう

食事をしたこと自体を忘れてしまい、「まだ食べていない」と言ったり、一日に何度も食事をとってしまったりすることがあります。反対に、食べること自体を忘れて一食抜けてしまうこともあります。

賞味期限切れの食品を口にしてしまう

買い物をしたことを忘れて同じ食品を何度も買う、冷蔵庫の中身を把握できない、といったことから、古くなった食品を食べてしまうおそれがあります。

⇒独居の親の冷蔵庫の中身が心配なとき|健康サインの見分け方と対処法

調理中の火の不始末

コンロの火を消し忘れる、鍋を火にかけたまま忘れてしまうなど、調理そのものが危険につながることがあります。ご家族が「もう料理は任せられない」と感じるきっかけになりやすいポイントです。

低栄養や水分不足

食事の回数や量が減ったり、同じものばかり食べたりすると、栄養が偏りがちです。のどの渇きを感じにくくなることもあり、水分不足にも注意が必要です。

かむ力・飲み込む力の低下

年齢や病気の進行とともに、かむ力や飲み込む力が弱くなることがあります。食べ物が気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」は肺炎の原因にもなるため、その方に合った食事の形(やわらかさ・大きさ)を選ぶことが大切です。

⇒やわらか食 お試し 宅配|宝塚市・西宮市で安心の食事を自宅にお届け


数字で見る認知症と高齢者の暮らし

認知症は、決して特別な誰かの話ではありません。公的な統計から、今の状況を確認しておきましょう。

認知症の高齢者は約472万人(2025年推計)

九州大学の研究班が2024年に公表した最新の推計(厚生労働省の補助事業)では、認知症の高齢者は2025年に約471.6万人、高齢者の約12.9%とされています。さらに2040年には約584.2万人に増えると見込まれています。

なお、以前の推計では「2025年に約700万人(高齢者の約5人に1人)」とされており、この数字を目にされた方も多いと思います。最新の推計では、生活習慣や健康意識の改善などにより、以前の見込みより少なくなっています。

介護が必要になった原因の第1位は「認知症」

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」によると、介護が必要になった主な原因の第1位は**認知症(16.6%)**です。

一人暮らしの高齢者は増え続けています

内閣府「令和6年版高齢社会白書」によると、65歳以上の方のうち一人暮らしをしている割合は、2020年時点で男性15.0%、女性22.1%。2040年には男性20.8%、女性24.5%まで増えると予測されています。

高齢者の低栄養も身近な課題です

厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」では、65歳以上で低栄養傾向(BMI20以下)の方は男性12.2%、女性22.4%。年齢が上がるほど割合が高く、85歳以上で最も多くなっています。

認知症と一人暮らし、そして低栄養。この3つが重なったとき、食事と見守りを同時に支える仕組みが必要になります。


配食サービスが認知症の方の支えになる3つの理由

1. 栄養バランスのとれた食事が、決まった時間に届く

配食サービスのお弁当は、主食・主菜・副菜の組み合わせで栄養バランスが考えられています。決まった時間に届くことで、食事のリズムも整いやすくなります。

厚生労働省は2017年に「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」を策定し、配食事業を地域で高齢者の暮らしを支える担い手の一つとして位置づけています。

2. 火を使わずに済み、食品の買いだめも減る

調理済みのお弁当が届くので、ご本人がコンロを使う機会を減らせます。買い物や調理の負担が減ることで、食品の買いすぎや冷蔵庫の中身の管理といった心配も小さくなります。

3. 配達のたびに「見守り」ができる

手渡しで届ける配食サービスなら、配達員がご本人と顔を合わせます。「今日は元気がない」「前回のお弁当が手つかずで残っている」「呼んでも応答がない」といった変化に気づき、ご家族へ連絡することができます。

杉山 制空

離れて暮らすご家族にとって、「毎日誰かが顔を見てくれている」という安心は、何より大きな支えになります。

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認知症の方が配食サービスを利用するときの実践ポイント

ここからは、実際に利用を始める際に知っておきたい具体的なポイントをご紹介します。

受け取りについて:置き配より手渡しを

認知症の方の場合、配達があることを忘れて外出してしまったり、玄関先に置かれたお弁当に気づかなかったりすることがあります。お弁当が常温で長時間放置されると、食中毒のリスクも高まります。

  • ご本人が家にいる時間帯に配達時間を合わせる
  • 手渡しで届けてくれるサービスを選ぶ
  • 不在だった場合にどう対応するか(ご家族への連絡など)を事前に決めておく

食べ忘れへの対策

  • いつも食事をする場所(食卓など)に置いてもらう
  • 配達時に「お昼ご飯ですよ」とひと声かけてもらう
  • ご家族が食事の時間に合わせて電話で声をかける
杉山 制空

ご本人が「まだ食べていない」とおっしゃったときは、頭ごなしに否定せず、まずは気持ちを受け止めることが大切です。

お薬との組み合わせ

認知症の方は、薬の飲み忘れや飲みすぎも起こりがちです。服薬カレンダーの活用や、薬を1回分ずつまとめてもらう「一包化」を、かかりつけ医や薬剤師に相談してみましょう。「お弁当が届いたら薬を飲む」というように、食事と服薬を結びつけると習慣にしやすくなります。

異変があったときの連絡体制

利用を始める前に、配達時にいつもと様子が違ったとき、応答がなかったときに、誰へ連絡してもらうかを決めておきましょう。ご家族の連絡先に加えて、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターとも情報を共有しておくと、いざというときに動きやすくなります。

食べやすさ・食事の形

かむ力や飲み込む力に合わせて、食事の形を選べるサービスがおすすめです。

  • やわらか食:歯ぐきや舌でつぶせるくらいのやわらかさ
  • きざみ食:食材を細かくきざんだもの(口の中でまとまりにくい場合は、とろみをつけると飲み込みやすくなります)
  • ムース食:なめらかに加工し、かまずに食べられる形
杉山 制空

どの形が合うかは、かかりつけ医や言語聴覚士、ケアマネジャーに相談して決めると安心です。容器のふたが開けやすいかどうかも、意外と大切なポイントです。

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配食サービスと介護保険の関係

配食サービスのお弁当代そのものは、介護保険の対象外で、基本的には全額自己負担になります。

ただし、訪問介護やデイサービス、訪問看護などの介護保険サービスと組み合わせて利用することは可能です。「食事は配食サービス、入浴や身の回りのお手伝いは介護保険サービス」というように役割を分けることで、在宅生活を続けやすくなります。

杉山 制空

配食サービスを利用するときは、担当のケアマネジャーに伝えて、ケアプランの中で他のサービスとの組み合わせを考えてもらうのがおすすめです。

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認知症の方の配食サービス選び|チェックポイント

チェック項目確認したいこと
安否確認配達時に安否確認をしてくれるか、どのように確認するか
受け取り方法毎回手渡しか、置き配か
異変時の連絡様子がおかしいとき・不在時に家族やケアマネへ連絡してくれるか
栄養バランス主食・主菜・副菜がそろい、栄養に配慮した献立か
食事の形やわらか食・きざみ食など、その方に合った形を選べるか
配達エリア・時間自宅が配達エリアか、希望の時間帯に届けてもらえるか
お試し無料試食などで、味や食べやすさを事前に確かめられるか

特に認知症の方の場合は、安否確認・手渡し・異変時の連絡の3点を最優先で確認してください。


宝塚市・西宮市の相談窓口と見守りの取り組み

「どこに相談したらいいか分からない」という場合は、まずお住まいの地域の地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。認知症のこと、介護保険のこと、配食サービスのことなど、高齢者の暮らしに関する相談を幅広く受け付けています。

宝塚市の場合

相談窓口:宝塚市内の各地域包括支援センター、宝塚市 健康福祉部 高齢福祉課

見守りに関する取り組み:一人暮らしの高齢者などを対象とした緊急通報システムの給付、電磁調理器・自動消火器などの日常生活用具の給付があります(対象や条件は市にご確認ください)

電磁調理器は、火を使わずに調理できるため、火の不始末が心配な方への備えとして検討する価値があります。

西宮市の場合

相談窓口:「西宮市高齢者あんしん窓口」(地域包括支援センター)が市内15か所にあり、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなどが相談に応じています

西宮市見守りホットライン事業:おおむね65歳以上の一人暮らしの方などを対象に、緊急通報機器の貸与、24時間の受信・駆けつけ対応、健康相談、月1回の安否確認の電話などを行っています

協力事業者による高齢者見守り事業:地域の事業者が仕事中に高齢者の異変に気づいたとき、高齢者あんしん窓口へ連絡する仕組みです

市の見守り施策は、緊急時の通報や月1回の安否確認が中心です。毎日の食事と、顔を合わせての見守りについては、配食サービスを組み合わせることで、より手厚い体制をつくることができます。

※制度の内容・対象・申し込み方法は変更される場合があります。最新の情報は各市の担当窓口にご確認ください。

ニコニコキッチン宝塚西宮店の安否確認付き配食

ニコニコキッチン宝塚西宮店は、宝塚市・西宮市エリアで高齢者向けの配食サービスを行っています。私たちが大切にしているのは、ご利用者様の「安心と安全」です。

  • 配達スタッフが手渡しでお届けし、配達のたびに安否確認を行います
  • ご家族や担当のケアマネジャーと連携し、ご利用者様の暮らしを一緒に支えます
  • やわらか食やカロリー調整食もご用意しています
  • やわらか食・カロリー調整食は無料でお試しいただけます
杉山 制空

「親が認知症と診断されて、食事が心配」「毎日様子を見に行けないのが不安」という方は、まずはお気軽にご相談ください。ケアマネジャーの方からのご相談もお受けしています。


【認知症の親の食事が心配なご家族へ】よくある質問

Q. 認知症の本人が配食サービスを嫌がる場合はどうすればいいですか?

「知らない人が来るのは嫌」「自分で作れる」と抵抗を感じる方もいらっしゃいます。まずは週に数回からお試しで始める、ご家族が一緒にいるときに初回の配達をしてもらう、など少しずつ慣れていく方法がおすすめです。担当のケアマネジャーに相談して、伝え方を一緒に考えてもらうのもよいでしょう。

Q. 配食サービスを利用すれば、認知症の進行を防げますか?

配食サービスは、認知症の予防や治療を目的としたものではありません。栄養のとれた食事と日々の見守りによって、在宅での暮らしを支える「手助けのひとつ」とお考えください。症状や治療については、かかりつけ医にご相談ください。

Q. 家族が遠方に住んでいても利用できますか?

はい、ご利用いただけます。離れて暮らすご家族からのお申し込みも多く、配達時の様子に変化があった場合のご連絡方法などを事前に決めておくことで、遠方からでも安心して見守ることができます。

Q. 介護保険を使って配食サービスを利用できますか?

お弁当代そのものは介護保険の対象外で、基本的には自己負担です。訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスと組み合わせて利用することはできますので、ケアマネジャーにご相談ください。


《総括》認知症の両親のために・・・安否確認付き配食サービスという選択肢

認知症の方の一人暮らしでは、食べ忘れ・賞味期限切れの食品・火の不始末・低栄養などが起こりやすくなります

配食サービスは、栄養のとれた食事を届けるだけでなく、調理の負担や火の心配も減らしてくれます

認知症の方には、手渡し・安否確認・異変時の連絡がそろった配食サービスがおすすめです

困ったときは、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しましょう

毎年9月21日は「認知症の日」です。2024年に施行された認知症基本法では、認知症の人が尊厳を持って、希望を持って暮らせる「共生社会」の実現がうたわれています。住み慣れた家での暮らしを続けるために、毎日の食事と見守りを、地域の配食サービスと一緒に支えていきませんか。

杉山 制空

ニコニコキッチン宝塚西宮店では、やわらか食・カロリー調整食の無料お試しを受け付けています。認知症のご家族の食事についてのご相談も、どうぞお気軽にお問い合わせください。


参考資料

  • 厚生労働省「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」(2024年公表、九州大学 二宮利治教授ら)
  • 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
  • 内閣府「令和6年版高齢社会白書」
  • 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」
  • 厚生労働省「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」(2017年)
  • 厚生労働省「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(2024年1月施行)
  • 宝塚市公式ホームページ「その他の高齢者福祉サービス」「高齢者の方のご相談は地域包括支援センターへ」
  • 西宮市公式ホームページ「西宮市高齢者あんしん窓口(地域包括支援センター)について」「西宮市見守りホットライン事業」
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