麦茶はノンカフェインで体にやさしく、夏の水分補給の定番です。ただし「体に良いから」と一度に大量に飲むと、体の冷え・水中毒(低ナトリウム血症)・胃腸の不調・頻尿などのデメリットが出ることがあります。
杉山 制空結論からお伝えすると、麦茶の適量は1日1〜1.5リットルを目安に、コップ1杯(150〜200ml)ずつこまめに分けて飲むのが理想です。この記事では、麦茶の飲み過ぎで起こりうるデメリットと、高齢者に合った正しい飲み方をわかりやすく解説します。
麦茶の飲み過ぎで起こる5つのデメリット
1. 体が冷える
麦茶の原料である大麦には、体の熱を逃がす働きがあるといわれています。夏のほてった体には良い作用ですが、冷蔵庫でよく冷えた麦茶を一度に大量に飲むと、内臓が冷えてしまいます。



高齢の方は冷房の効いた室内で過ごす時間が長く、もともと体が冷えやすい状態です。冷たい麦茶の飲み過ぎが重なると、胃腸の働きが落ちて食欲不振につながることもあります。夏バテぎみの方は、常温の麦茶にするだけでも体への負担が変わります。
2. 水中毒(低ナトリウム血症)のリスク
麦茶には塩分(ナトリウム)がほとんど含まれていません。汗をたくさんかいたときに麦茶だけを大量に飲むと、血液中のナトリウム濃度が薄まり、低ナトリウム血症(いわゆる水中毒)を起こすことがあります。
初期症状は、頭痛・吐き気・体のだるさ・軽いむくみなどです。進行すると意識がもうろうとすることもあり、熱中症の症状とよく似ているため見分けがつきにくいのが怖いところです。



汗を大量にかいた日は、麦茶だけに頼らず、梅干しや味噌汁などで塩分も一緒にとるようにしましょう。目安として、麦茶コップ1杯に梅干し1個を組み合わせると、水分と塩分をバランスよく補給できますよ。


3. 下痢・胃腸の不調
冷たい麦茶を一気に飲むと、胃腸が刺激されて下痢や腹痛を起こすことがあります。高齢の方は消化機能が低下していることが多く、若い方よりも影響を受けやすい傾向があります。



夏場の下痢は脱水を悪化させる原因にもなるため、「冷たいものを一気に飲まない」「常温か少し冷たい程度にする」ことを心がけてください。
4. 頻尿・夜間トイレの回数が増える
麦茶はノンカフェインなので、緑茶やコーヒーのような強い利尿作用はありません。それでも水分である以上、飲む量が増えればトイレの回数も増えます。



特に注意したいのが、夕方以降の飲み過ぎです。夜間にトイレで何度も起きるようになると、睡眠の質が下がるだけでなく、暗い中での移動による転倒リスクも高まります。水分補給は日中を中心にして、就寝前はコップ半分〜1杯程度にとどめるのがおすすめです。
5. 食事量が減ってしまう
食事の直前に麦茶をたくさん飲むと、お腹がふくれて食事が入らなくなることがあります。高齢者の方はもともと食が細くなりがちで、水分でお腹を満たしてしまうと低栄養につながる心配があります。



食事の30分前からは飲む量を控えめにして、食事中はコップ1杯程度にすると、食事量を減らさずに水分補給ができますよ。
麦茶の1日の適量と正しい飲み方
1日1〜1.5リットルを目安に
高齢者が1日に飲み物からとりたい水分量は、約1〜1.5リットルといわれています(食事に含まれる水分は別です)。麦茶を水分補給の中心にする場合も、この範囲におさめるのが目安です。


飲むタイミングの目安
- 起床後すぐ(就寝中に失われた水分の補給)
- 朝食・昼食・夕食のとき
- 午前と午後の休憩時間
- 入浴の前後
- 就寝前(コップ半分〜1杯程度)
汗をかいた日は塩分もセットで
庭仕事や散歩などで汗をかいた日は、麦茶に加えて塩分補給を意識しましょう。梅干し・塩昆布・味噌汁などが手軽です。大量に汗をかいたときや、めまい・立ちくらみがあるときは、経口補水液(OS-1など)の利用も検討してください。
持病がある方が注意したいこと
腎臓病・心臓病で水分制限がある方
利尿剤を服用している方


《総括》麦茶の飲み過ぎにデメリットはある?
麦茶はノンカフェインでミネラルも含む、高齢者の水分補給に適した飲み物です。ただし飲み過ぎると、体の冷え・水中毒・胃腸の不調・頻尿・食欲低下といったデメリットが出ることがあります。
- 1日の目安は1〜1.5リットル
- コップ1杯ずつ、こまめに分けて飲む
- キンキンに冷やしすぎず、常温か少し冷たい程度に
- 汗をかいた日は梅干しや味噌汁で塩分もプラス
- 水分制限のある方は主治医に相談








