西宮市における重度訪問介護サービスの報酬過払い問題について

西宮市の介護報酬過払い問題

2026年5月19日、兵庫県西宮市は、重度訪問介護サービスにおいて、介護報酬の加算要件を満たしていない利用者18人を対象と誤り、サービスを提供する35事業者に対して計約7,500万円を過大に支払っていたことを発表しました 。

本稿では、この問題の概要、原因、経緯、および今後の対応について詳しく解説します。

杉山 制空

我々、コニコキッチン宝塚西宮店の営業先でもある介護事業所が関係する事件ですので、慎重に調べました。

目次

【西宮市】重度訪問介護サービスの報酬過払い問題の概要

西宮市は、重度訪問介護サービスを提供する事業所に対し、利用者の状態に応じて基本報酬に8.5%または15%を加算した報酬を支払う仕組みを設けています 。しかし、本来は加算要件を満たさない利用者18名について、市が誤って加算対象として認定していたことが判明しました。

この誤認定により、市はサービス提供事業者に対して過大な介護報酬を支払っており、その総額は約7,523万円に上ります 。

項目詳細
発表日2026年5月19日
対象サービス重度訪問介護サービス
過払い総額75,237,790円
対象事業者数35箇所(市内:18箇所、市外:17箇所)
対象利用者数18人

【西宮市】重度訪問介護サービスの報酬過払いの原因

この問題の根本的な原因は、平成26年(2014年)4月に行われた国の制度改正に伴う、西宮市の要件確認のミスにあります 。

当時の制度改正では、以下の2点が変更されました。

① 従来の重度訪問介護サービスの対象者に、重度の知的障害や精神障害のある方が拡大された。

② 15%の報酬加算要件について、「身体障害により障害支援区分が最も重い区分6に該当し、かつ寝たきりの状態」または「知的障害または精神障害により行動上著しい困難のある場合」の方が対象となるよう改正が行われた。

西宮市は、対象者の拡大については見直しを行いましたが、身体障害にかかる要件(区分6かつ寝たきりの状態)を見落としていました。その結果、本来は要件を満たさない利用者に対しても、誤って加算認定を行い、報酬を支払い続けていたのです 。

発覚の経緯

この誤りは、令和8年(2026年)2月に発覚しました 。

15%加算の対象として重度訪問介護を利用していた方が他市町村へ転出した際、市町村間でサービス情報の引継ぎが行われました。その際、西宮市と転出先の市町村との間で、15%加算の対象要件の判断に齟齬(食い違い)が生じました。

これをきっかけに西宮市が改めて確認を行ったところ、本市の加算対象要件の解釈に誤りがあったことが判明しました 。

返還請求と今後の対応

西宮市は、過大に支払った報酬について、対象となる35事業者に対して返還を求めています。

返還対象期間

返還の対象となる期間は、令和3年(2021年)6月支払い分(概ね4月利用分)から令和8年(2026年)5月支払い分(概ね3月利用分)までです 。

なお、平成26年(2014年)6月支払い分から令和3年(2021年)5月支払い分については、地方自治法第236条第1項に規定される消滅時効(5年)に該当するため、返還請求の対象外となります(消滅時効該当分については現在精査中とのことです) 。

利用者への影響

この問題は市と事業者間の報酬支払いの誤りであるため、利用者18人に対して還付や返還を求めることはありません 。市は該当する利用者に対し、令和8年5月19日付で加算認定が誤っていた旨の文書と、正しい加算に修正後の決定通知書等を送付しています。

事業者への対応

返還対象の事業所には、返還通知にお詫び文書を添えて送付するとともに、電話で謝罪の上、個別に訪問を行って経緯等を説明し、過大に支払った報酬の返還を求めています 。

報酬過払いの再発防止策

西宮市は、今回の誤りが報酬改定による制度変更時における事務処理に起因するものであるとし、以下の再発防止策を講じるとしています 。

今後は制度変更の内容が正しく支給決定に反映されているか、複数人でチェックを行う。

課内で事務誤りの事例を共有し、同様のことがないよう定期的に確認する。

【西宮市】重度訪問介護サービスの報酬過払い問題の総括

今回の西宮市による約7,500万円の過払い問題は、2014年の制度改正時における要件確認の見落としという、一見小さなミスが12年近くにわたって放置され続けた結果です。誤りが発覚したのも、担当者の気づきではなく、利用者の転出という偶然のきっかけでした。

この問題で注目すべき点は、利用者への影響はないとされている一方、35もの事業者が返還を求められるという深刻な影響が生じていることです。現場で懸命にサービスを提供してきた事業者にとって、行政のミスによる突然の返還請求は、経営にも少なからず打撃を与えかねません。

制度改正のたびに複雑化する介護・障害福祉の報酬体系において、正確な要件確認と複数人によるチェック体制の整備は、自治体にとって不可欠な取り組みです。今回の教訓を、西宮市だけでなく全国の自治体が共有し、同様のミスを繰り返さない仕組みづくりが求められます。

行政への信頼を取り戻すためにも、再発防止策の着実な実行を見守っていきたいところです。

杉山 制空

ニコニコキッチン宝塚西宮店としては、今回の事件は、営業先の問題ということで、どこまで調べ知るべきなのか?考えました・・・結論としては、深入りせず静観することに決まりました。今は静かに見守ることにします。

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