福男は不幸になる?歴代の『一番福』に起きた災難と2019年の悲劇

福男は不幸になる

毎年1月10日、私の地元になる兵庫県西宮市『西宮神社』の境内を全力疾走し、その年の「福」を掴み取る福男選び。

ニュースで見かける彼らは最高に幸運なはずですが、実は「福男になると不幸になる」という恐ろしい都市伝説があることをご存知でしょうか?

杉山 制空

「一番福になったのに事故に遭った」「テレビに映って不倫がバレた」。そんな衝撃的なエピソードがまことしやかに囁かれています。

この記事では、特に世間を騒がせた2019年の消防士による不倫騒動や、歴代福男を襲った災難の数々を徹底調査。果たして福男は本当に不幸になるのか、その真実に迫ります。

目次

福男になると不幸になる?「運の使い果たし」という都市伝説の正体

「福男は不幸になる」と言われる最大の理由とは

毎年華々しく報道される西宮神社の福男選びですが、ネットや地元の人々の間では「福男になると逆に不幸になる」という説が根強く囁かれています。

なぜ、神様から一番の福を授かったはずの人間が不幸になると言われるのでしょうか・・・。

その最大の理由は、「一生分の運をあの瞬間に使い果たしてしまうから」という解釈です。

数千人の参加者の中から一番になる確率は天文学的数字であり、そこで運のピークを迎えてしまい、後は下り坂になるという考え方です。また、別の説として「福男は周囲の厄(やく)を一身に背負って走る身代わり地蔵のような存在だから」という、少し怖い解釈も存在します。神社の公式見解とは異なるものの、実際に起きた数々のトラブルがこの俗説に信憑性を与えてしまっているのです。

神社側の見解は?「福」は独り占めするものではない

一方で、主催である西宮神社側は「福男が不幸になる」という説を否定しています。

神社によると、福男(一番福〜三番福)は「自分だけが幸せになる人」ではなく、「神様から授かった福を、周囲の人々に分け与える役目の人」と定義されています。

つまり、福男になったからといって宝くじが当たるような個人的な利益があるわけではなく、むしろ「福の配り手」として奉仕することで、結果的に良いご縁が巡ってくるというのが本来の考え方です。しかし、この高尚な精神とは裏腹に、現実にはあまりにも皮肉な「不幸な結末」を迎えるケースが後を絶たず、人々の関心を集めてしまっているのが実情です。

【福男は不幸になる】2019年一番福の消防士を襲った不倫騒動の全貌

栄光からの転落…テレビ中継が招いた「身バレ」の悲劇

「福男は不幸になる」説を決定づけたとも言えるのが、平成最後となった2019年の福男選びでの出来事です。

この年、一番福の座を射止めたのは広島県の消防士の男性(当時22歳)でした。爽やかな笑顔でインタビューに応じ、「2ヶ月前に子供が生まれたばかり」と家族への愛を語る姿は、日本中を温かい気持ちにさせました。しかし、その放送を見ていたある女性にとっては、それは地獄のような映像でした。実はこの男性、既婚者であることを隠して別の女性と交際しており、その女性がテレビで彼を見て「独身だと言っていたのに嘘だったのか」と気づいてしまったのです。最高の栄誉である全国放送が、最悪の「身バレ」の引き金となってしまいました。

SNSでの告発と炎上、そして囁かれる「離婚」の噂

事態はここから泥沼化します。裏切られたことを知った交際相手の女性は、SNSや週刊誌を通じて告発を行いました。男性が既婚者であることを隠していただけでなく、不誠実な対応をとったことなどが暴露され、ネット上は大炎上。「神事に参加する資格がない」「神様は見ている」といった批判が殺到しました。公務員である消防士という立場もあり、職場への抗議もあったと言われています。

杉山 制空

公式に「離婚した」という確定情報は出ていませんが、生まれたばかりの子供がいる状態で全国規模の不倫スキャンダルが露呈したことから、家庭崩壊は避けられなかったのではないかと推測されています。「一番福」という称号と引き換えに、社会的信用と家庭の平穏を失ってしまったこの事件は、まさに「福男の不幸」を象徴する出来事として語り継がれています。

まだある!歴代福男たちを襲った災難と波乱万丈な「その後」

2018年福男の受難…食中毒・事故・浪人のトリプルパンチ

2019年の事件の前年、2018年の福男(当時19歳の大学生)もまた、凄まじい不運の連鎖に見舞われています

杉山 制空

彼の場合、不祥事ではなく純粋な「不運」が連続しました。まず、福男になった直後の祝賀会で出された鶏肉により食中毒(カンピロバクター)を発症し、高熱にうなされました。さらに、その後の大学受験には失敗して浪人が決定。極めつけは、買ったばかりの車で当て逃げ被害に遭い、その後さらに追突事故にも巻き込まれるという散々な一年を送りました。本人もメディアの取材に対し「運を使い果たしたのかもしれない」と苦笑するほどで、福男のジンクスを世に知らしめる結果となりました。

「日本一不幸な男」から復活した1999年の奇跡

不幸なエピソードの中で、最も重く、かつ希望を感じさせるのが1999年の事例です。

この年、先頭を走りながらゴール直前で転倒し、一番福を逃した平尾亮さんは、その年の年末に大型トラックにはねられる大事故に遭遇します。一命は取り留めたものの、右足を切断するという大きな障害を負いました。メディアからは「日本一不幸な男」として取り上げられましたが、彼はそこで折れませんでした。「命が助かったことこそが福男の御利益」と捉え直し、現在は義足のアスリートとして活躍しながら、西宮神社の福男選びの運営サポート(「開門神事講社」の講長)を務めています。不運を本当の意味での「福」に変えた、稀有な例と言えるでしょう。

2004年の不祥事…消防士グループによる進路妨害事件

実は消防士と福男のトラブルは2019年だけではありません。

2004年には、同じ消防署の同僚を一番福にするために、他の参加者を組織的にブロック(進路妨害)したとして大問題になりました。結果として仲間の一人が一番福になりましたが、映像検証などで不正が明らかになり、批判が殺到。最終的には一番福の称号を返上する事態となりました。神聖な神事において、勝ち負けにこだわるあまり不正を働いた末路は、社会的制裁という「不幸」な結果を招くことになりました。

そもそも「福男」って何?参加条件や知っておきたい基礎知識

「福男」とはどういう意味?決める方法は?

「福男」とは、正式には兵庫県西宮神社の「十日えびす」大祭終了後の1月10日早朝に行われる「開門神事福男選び」の勝者を指します。

午前6時の開門と同時に、表大門から本殿までの約230メートルを全力疾走し、最初に本殿に到着した上位3名が、その年の「福男」として認定されます。「男」という名前がついていますが、実は老若男女誰でも参加可能です(ただし、最前列の抽選に当たる必要があり、女性が上位3名に入ることは体格差・スピードの面で至難の業です)。単なるかけっこではなく、神様のもとへ一番に駆けつける信仰心の表れとされています。

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