2025年は米価高騰の影響を受け、NHKの調査によるとスーパーの平均価格は5キロ4,220円にまで上昇し、16週連続の値上がりを記録しています。
「コメリで令和6年産栃木県産コシヒカリ無洗米10kgが9,580円、業務スーパーのカリフォルニア産カルローズ米5kgが3,542円、西友の台湾産米むすびの郷5kgが3,229円…」お米の価格はお店によってこれほど差があります。
そんな中、ホームセンターでのお米購入が選択肢の一つとして注目されています。
広い店舗面積を活かした大量仕入れや、農家との直接取引により、一般的なスーパーよりもリーズナブルな価格設定が可能になっているからです。
しかし、ホームセンターが必ずしも最安値というわけではありません。
本記事では、コメリ、カインズなど主要ホームセンターのお米価格を他店舗と比較し、あなたの家族構成や消費ペースに合った最適な購入方法をご紹介します。
価格高騰の今だからこそ知っておきたい、お米の賢い買い方をマスターしましょう。
ホームセンターでお米が安い理由
直接取引による流通コスト削減
農家との直接契約システム
ホームセンターがお米を比較的安価に提供できる最大の理由は、農家や産地との直接取引にあります。
一般的な流通経路では、農家から卸売業者、そして小売店へと複数の段階を経由しますが、ホームセンターは自社の規模と販売力を活かして、産地と直接交渉することで中間コストを大幅に削減しています。
特に地方のホームセンターでは、地元農家とのパートナーシップを構築し、安定した供給体制を確立しているケースが多く見られます。
これにより、新鮮さを保ちながらもコスト面での優位性を確保し、消費者に還元することが可能となっているのです。
中間マージンのカット効果
従来の流通ルートでは、農家→卸業者→小売店という段階を経るため、各段階でマージンが発生します。しかし、直接取引を行うことでこの中間マージンをカットできるため、全体価格の10〜20%程度のコスト削減効果があると言われています。
さらに効率的な取引システムを構築することで、追加で5〜10%のコスト削減も可能になります。これらの削減分が価格に反映され、消費者にとって魅力的な価格設定につながっているのです。
大量仕入れと効率的な在庫管理
広い店舗面積を活かした大量仕入れ
ホームセンターの大きな特徴として、広大な店舗面積があります。
この広いスペースを活かし、お米を大量に仕入れて保管することができるのです。
大量仕入れによるボリュームディスカウントは、単価の引き下げに直結します。
30kgの大袋や業務用サイズのお米を取り扱うことができるのも、広い店舗面積があるからこそ。
一般的なスーパーでは保管スペースの関係で5kgや10kgの小容量パックが中心ですが、ホームセンターでは大容量商品も豊富に取り揃えられています。
効率的な物流システム
ホームセンターは全国に多数の店舗を展開していることが多く、その物流網を活かした効率的な配送システムを構築しています。
自社物流センターを持つ大手ホームセンターでは、お米だけでなく様々な商品を一括して配送することで、1商品あたりの物流コストを削減しています。
また、在庫管理システムの最適化により、過剰在庫や品切れを防ぎ、コストパフォーマンスの高い運営を実現しています。これらの効率化がお米の価格競争力を支える重要な要素となっているのです。
大容量パッケージの採用
包装コストの削減
ホームセンターでは5kg、10kg、さらには30kgといった大容量パッケージでお米を販売することが多いです。
小分け包装に比べて、大容量パッケージは包装材料費や労働コストが削減できるため、1kgあたりの単価を下げることが可能になります。
5kgのお米を1kgずつ5袋に小分けするよりも、5kg入り1袋で販売した方が、包装材料費は5分の1になります。この包装コストの削減分が価格に反映され、消費者にとってお得な買い物につながっています。
単価を下げる工夫
ホームセンターでは、単に大容量パッケージを提供するだけでなく、様々な工夫で単価を下げています。

【ホームセンターのお米は安い?】主要ホームセンターのお米価格比較
コメリのお米価格と特徴
コメリの玄米30kg価格
コメリでは、玄米の大容量パックが特に充実しており、コストパフォーマンスに優れています。
2025年5月現在、「新潟産コシヒカリ玄米30kg」は約26,800円〜31,000円で販売されています。また「岡山県産にじのきらめき玄米30kg」は約15,000円とかなりリーズナブルな価格設定となっています。
コメリは米どころとして知られる新潟県に本社を置くホームセンターであり、お米の品揃えと価格競争力には定評があります。
コメリの精米価格と品質評価
コメリでは精米商品も豊富に取り揃えており、「特別栽培米 新潟県南魚沼産コシヒカリ(精米5kg)」は4,180円前後、「新潟県弥彦村産 石井農園のこだわりコシヒカリ(精米5kg)」は3,380円前後で販売されています。
特に地元新潟県産のコシヒカリは品質評価が高く、リピーターも多い人気商品です。
また、コメリのオンラインショップ「コメリドットコム」では、店舗で取り扱っていない銘柄も含め、幅広い種類のお米を購入することができ、全国にある店舗網を活かした安心の購入システムが整っています。
カインズのお米価格と特徴
カインズの人気米銘柄と価格
カインズでは、「令和6年産 千葉県産 こしひかり 5kg」が4,580円、「無洗米 パールライスのお米5kg(脱酸素剤入り)」も同じく4,580円で販売されています。また、山形県産「はえぬき」10kgは3,080円(2023年10月時点)と、コストパフォーマンスに優れた商品も取り揃えています。
カインズでは地域の特性に合わせた品揃えを心がけており、店舗によって取扱銘柄や価格に若干の差があるものの、全体的にリーズナブルな価格設定が特徴です。
カインズの特売情報と価格変動
カインズでは定期的に特売セールを実施しており、通常価格よりもさらにお得にお米を購入できる機会があります。※ただし、近年のお米価格高騰の影響を受け、2025年5月現在では価格が上昇傾向にあります。
コーナンのお米価格と特徴
コーナンの地域別お米ラインナップ
コーナンでは地域の特性を活かしたお米のラインナップが特徴です。
特に「佐賀県産さがびより玄米30kg」が約16,000円で販売されており、西日本エリアの店舗では人気商品となっています。コーナンは関西地方を中心に展開するホームセンターであるため、関西や西日本の銘柄米が充実しています。
店舗によって取扱商品は異なりますが、地元産の米を中心に、比較的リーズナブルな価格設定で提供しています。
コーナンのプライベートブランド米
コーナンでは、自社のプライベートブランド商品として、コストパフォーマンスに優れたお米も販売しています。
これらのPB商品は、有名銘柄米と比較すると価格が抑えられており、家計に優しい選択肢となっています。品質面でも一定の水準を保ちながら、価格を抑えることで、コストを重視する消費者のニーズに応えています。また、精米したてのフレッシュな状態で提供するため、鮮度にもこだわりがあります。
ホームセンターと他店舗のお米価格比較
スーパーマーケットとの比較
イオン・イトーヨーカドーの価格帯
大手スーパーマーケットチェーンであるイオンでは、トップバリュ「玄米30kg」が約15,000円、「新潟産コシヒカリ玄米30kg」が約18,000円で販売されています。また、5kgの青森県産まっしぐらは約4,158円となっています。
イトーヨーカドーでは「福島県産コシヒカリ玄米30kg」が約17,000円で、店舗によっては精米サービスも提供しています。
これらの価格帯は、ホームセンターと比較するとやや高めの傾向がありますが、ポイントカードの還元率やセール頻度も考慮する必要があります。
地域スーパーとの価格差
地域密着型のスーパーマーケットでは、地元産のお米を中心に取り扱っていることが多く、流通コストの削減によって比較的リーズナブルな価格設定となっていることがあります。
特売日を狙うと、ホームセンターよりも安く購入できるケースもあります。
例えば、チラシに掲載されている「本日限り」や「週末セール」などを活用すると、1kgあたり200円以下の価格で購入できることもあるようです。ただし、常時この価格で提供されているわけではないため、タイミングが重要です。
ディスカウントストアとの比較
ドン・キホーテのお米価格戦略
ディスカウントストアの代表格であるドン・キホーテでは、あきたこまち10kgで2,880円、新潟産コシヒカリ10kgで3,480円と、非常に競争力のある価格設定となっています。
これはホームセンターの価格と比較しても、かなり安い部類に入ります。
ドン・キホーテは「エブリデイ・ロー・プライス」を掲げており、常に低価格を維持する戦略を取っているため、お米についても安定した価格で提供しています。ただし、店舗によっては品揃えが限られている場合もあります。
ドラッグストアの食品コーナー価格
近年、マツモトキヨシやウエルシアなどのドラッグストアでも、食品コーナーを拡充し、お米を販売するケースが増えています。
これらの店舗では、日用品と合わせてお米を買う人向けに特売を行うことが増えており、1,000円前後の特価が出ることもあります。
TポイントやWAONポイントなどのポイントカードも活用できるため、実質価格を下げられるのが魅力です。ただし、常時取り扱っているわけではなく、特売品として期間限定で販売されることが多いため、定期的なチェックが必要です。
業務スーパーとの比較
業務スーパーの国産米価格
業務スーパーでは、「国産玄米30kg」が約12,000円〜15,000円で販売されており、大容量でコストパフォーマンスが高いことから、備蓄用にリピート購入するユーザーが多いようです。
また、10kgのパックは2,400円~3,200円前後と、非常にリーズナブルな価格設定となっています。
業務スーパーは飲食店などの業務用需要も想定しているため、大容量パックが充実しており、家族が多い世帯や長期保存を考えている消費者にとって魅力的な選択肢となっています。
輸入米との価格差
業務スーパーでは国産米だけでなく、輸入米も豊富に取り扱っています。
カリフォルニア産カルローズ米は5kgで3,650円、10kgで7,300円と、国産米に比べてかなり安い価格設定となっています。
これは国産米が高騰する中、代替となる選択肢として注目されています。
ホームセンターでも輸入米を取り扱うケースがありますが、業務スーパーの方が品揃えが豊富で価格も安い傾向にあります。ただし、味や食感は国産米とは異なるため、用途に合わせて選ぶことが重要です。

お米を安く買うための戦略
ホームセンターでの購入のコツ
特売日を狙う方法
ホームセンターでもお米の特売日があり、通常価格よりも10〜20%程度安く購入できることがあります。
特売情報は、各ホームセンターのチラシやウェブサイト、アプリなどで確認できます。
特に月初めや月末、大型連休前などにセールが行われることが多いため、これらの時期を狙うと良いでしょう。また、平日と週末で価格が異なるケースもあり、平日の方が混雑も少なく、じっくり選べるメリットもあります。
さらに、閉店間際には値引きシールが貼られることもあるため、タイミングを見計らうことも一つの戦略です。
ポイントカード活用術
多くのホームセンターでは独自のポイントカードを発行しており、これを活用することで実質的な購入価格を下げることができます。
カインズではカインズカード、コメリではコメリカードなどがあり、通常の買い物でポイントが貯まるだけでなく、特定の日にポイント還元率がアップするキャンペーンも実施されています。
また、クレジットカード機能付きのカードを利用すれば、さらに高いポイント還元を受けられることもあります。これらのポイントを効果的に活用することで、お米の実質購入価格を5〜10%程度下げることが可能です。
時期による価格変動の活用法
新米シーズンと端境期の価格差
お米の価格は季節によって変動します。
一般的に、新米が出回る9〜10月は価格が高めになる傾向があります。
一方、端境期と呼ばれる6〜8月頃は、前年度産の在庫処分のため価格が下がることがあります。
品質にこだわらなければ、端境期に前年度産のお米を購入することで、新米シーズンよりも20〜30%程度安く購入できることもあります。ただし、古米は新米に比べて風味や食感が劣る場合があるため、用途に合わせて選ぶことが重要です。
週末と平日の価格差
ホームセンターやスーパーでは、集客のために週末に特売を行うことが多いですが、逆に平日限定の特価を設定している場合もあります。
火曜日や水曜日などの来店客が少ない曜日に特売が行われることがあるため、これらの日を狙って購入するのも一つの方法です。
また、月初めや月末に特売が行われることも多いため、給料日前後のタイミングをチェックすることもおすすめです。こうした曜日や日にちによる価格変動を把握し、計画的に購入することで、通常価格よりも安くお米を手に入れることができます。
ポイントやセールの活用術
キャンペーン情報の入手方法
お得にお米を購入するためには、各店舗のキャンペーン情報をいち早く入手することが重要です。
最も効果的な方法は、各ホームセンターやスーパーのアプリや会員サイトに登録することです。
これにより、特売情報やクーポンが直接スマートフォンに届くようになります。
また、紙のチラシをチェックするだけでなく、チラシアプリを活用すれば、複数の店舗の特売情報を一度に確認することができます。さらに、SNSやメールマガジンでも最新のキャンペーン情報が配信されることがあるため、こまめにチェックすることをおすすめします。
まとめ買いのメリットとデメリット
お米のまとめ買いには、単価が下がるというメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
メリットとしては、10kgや30kgなどの大容量パックを購入することで、5kgパックを複数購入するよりも10〜20%程度安くなることが多いです。また、買い物の頻度を減らせるため、時間と交通費の節約にもなります。
一方、デメリットとしては、保存スペースが必要になることや、適切に保存しないと品質が劣化するリスクがあることが挙げられます。特に夏場は虫や湿気による劣化が進みやすいため、保存環境に注意が必要です。
自分の消費ペースや保存環境を考慮した上で、最適な購入量を決めることが重要です。
よくある質問(Q&A)
Q1: お米は5kgと10kgどちらを買った方がお得ですか?
A1: 一般的に10kgパックの方がお得です。同じ銘柄でも10kgパックは5kgパック2つ分の価格よりも5〜10%程度安くなることが多いです。ただし、消費ペースが遅い場合は鮮度を保つ観点から5kgパックの方が適している場合もあります。2〜3人家族で月に5kg程度、4人家族で月に10kg程度を消費する目安を参考に、自分の家庭に合った容量を選びましょう。
Q2: ホームセンターでお米を買うときの最適な時期はいつですか?
A2: ホームセンターでお米を最もお得に購入できるのは、端境期と呼ばれる6〜8月頃です。この時期は前年度産の在庫処分のため価格が下がることがあります。また、月初めや月末、平日(特に火曜日や水曜日)に特売が行われることが多いため、これらの時期を狙うと良いでしょう。各ホームセンターのチラシやアプリで特売情報をこまめにチェックすることをおすすめします。
30kgの玄米を購入する場合、どのように保存すれば良いですか?
A3: 30kgの玄米を保存する場合、温度15℃以下、湿度70%以下の涼しく乾燥した場所で保管することが理想的です。虫や鼠の被害を防ぐために密閉容器に入れ、必要に応じて小分けにして冷蔵庫や冷凍庫で保管する方法も効果的です。玄米は精米と比べて保存性に優れていますが、長期保存する場合は定期的に状態をチェックし、必要な分だけ精米して消費することをおすすめします。家庭用精米機があれば、常に新鮮な状態で食べることができます。
【総括】ホームセンターのお米は本当に安い?価格比較と賢い購入術
ホームセンターでのお米購入は、直接取引による流通コスト削減、大量仕入れと効率的な在庫管理、大容量パッケージの採用などにより、比較的リーズナブルな価格で提供されていることがわかりました。
コメリ、カインズ、コーナンなど主要ホームセンターでは、地域特性を活かした品揃えと価格設定が特徴です。
特にコメリでは「新潟産コシヒカリ玄米30kg」が約26,800円〜31,000円、カインズでは「令和6年産 千葉県産 こしひかり 5kg」が4,580円で販売されており、地域や銘柄によって価格差があります。

他店舗との比較では、ディスカウントストアや業務スーパーの方が安い傾向にあり、特にドン・キホーテではあきたこまち10kgが2,880円、業務スーパーでは10kgパックが2,400円~3,200円前後と、ホームセンターよりも安価な価格設定となっています。
容量別では、5kgパックは1〜2人世帯に適していますが、単価は割高になる傾向があります。
10kgパックは3〜4人家族に最適で、5kgパックの2倍よりも5〜10%程度安くなることが多いです。30kg玄米は単価が最も安くなりますが、適切な保存方法が必要です。
各ホームセンターのアプリや会員サイトに登録して最新のキャンペーン情報を入手し、特売やポイント還元を活用することで、価格高騰の影響を少しでも抑えることができます。
また、玄米購入や端境期の買い物など、状況に応じた戦略的な購入を心がけましょう。