「熱中症になってしまったけど、何を食べて回復すれば良いの?」そんな不安を抱えていませんか?
熱中症からの回復には、ただ水分を摂るだけでなく、失われた電解質や栄養素を段階的に補給することが重要です。
この記事では、症状の段階に応じた最適な食べ物選びから、コンビニで手軽に購入できる回復食品、自宅で簡単に作れるレシピや、今話題の『塩バナナ』まで、熱中症回復のための実践的な情報を網羅的にご紹介します。
適切な食事管理で、辛い症状から一日も早く回復しましょう。
【熱中症回復期の食べ物】重要な栄養素とは?
失われた水分と電解質の補給
熱中症からの回復において最も重要なのは、体から失われた水分と電解質を迅速に補給することです。
発汗によって体は大量の水分とともに、ナトリウムやカリウムといった重要なミネラルを失います。
これらの電解質が不足すると、筋肉の収縮に異常が生じ、こむら返りなどの症状が起こりやすくなるのです。
経口補水液は、ナトリウムなどの電解質と糖分がバランス良く配合されており、軽度から中等度の脱水状態からの回復を助けるのに非常に効果的です。
水分補給には、ミネラルが含まれる麦茶などもおすすめです。
疲労回復に役立つビタミンB1
熱中症で体力を消耗した際には、疲労回復効果の高い栄養素を積極的に摂ることが大切です。
特にビタミンB1は、糖質の代謝を促してエネルギー産生を助ける働きがあり、疲労感や倦怠感を軽減する効果が期待できます。

エネルギー源となる糖質・炭水化物
暑い時期は特別な運動をしていなくても、体はエネルギーを消耗しています。
そのため、熱中症からの回復期には、効率の良いエネルギー源となる糖質や炭水化物を積極的に摂取することが重要です。
食欲がない時でも、消化しやすくエネルギーに変わりやすいお粥などがおすすめです。エネルギー補給は、体の機能を回復させ、免疫力を維持するためにも不可欠な要素となります。
熱中症の回復期におすすめの食べ物とその選び方
消化に良い主食の選び方
熱中症によって食欲が低下している回復期には、胃腸に負担をかけずに栄養を摂取できる消化の良い主食が適しています。
温かいお粥は、身体を温めながら胃腸の働きを助け、消化吸収を促進します。
また、消化しやすい炭水化物は、疲弊した体に速やかにエネルギーを供給し、回復をサポートします。食欲がない場合でも、少量からでも口にすることで、体力の回復につながります。
良質なタンパク質を含む食品
体の組織の修復や筋肉量の維持には、良質なタンパク質の摂取が欠かせません。

ミネラル豊富な食品
熱中症からの回復には、汗とともに失われたミネラルを補給することが重要です。
モロヘイヤはカリウムが非常に豊富で、電解質の補給に効果的です。
ぬか漬けはビタミンB1が豊富であるだけでなく、適度な塩分も含まれているため、電解質補給に適しています。これらの食品は、手軽にミネラルを摂取できるため、回復期の食事に積極的に取り入れると良いでしょう。
水分補給に適した食品と飲み物
熱中症回復期には、食品からも水分を積極的に摂ることが大切です。
スイカやメロン、オレンジなどの果物は、水分が豊富で、カリウムなどの電解質も多く含まれており、体内の電解質バランスを整えるのに役立ちます。
きゅうりやトマトといった野菜も水分が多く、ビタミンやミネラルを補給できます。
飲み物としては、カフェインを含まずミネラルを含む麦茶がおすすめです。スポーツドリンクや経口補水液も、水分と電解質の迅速な補給に適しています。
熱中症対策における塩分とバナナの役割
バナナ+塩(塩バナナ)は、ナトリウムとカリウムを同時に補給し、水分保持を高める簡便かつ有効な方法です。
塩分(ナトリウム)補給の重要性
高温多湿下で大量の汗をかくと、体液中のナトリウムが失われ、血漿浸透圧の低下や口渇感の喪失からさらなる脱水を招きやすい。ナトリウムは腸管での水分吸収を促進し、補給により体内への水分保持効果を高めます。
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日本スポーツ協会は、水100mlあたり0.1~0.2gの食塩(ナトリウム)と糖質4~8%を含む飲料を推奨。
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手作りの場合は、1Lの水に食塩1~2g、角砂糖数個(好みで)を溶かすだけで十分な経口補水液ができます。
バナナがもたらすカリウム・マグネシウム補給
バナナは果物の中でも特にカリウムが豊富で、筋細胞内外のナトリウム・カリウムバランスを維持し、むくみ予防や筋けいれんの抑制に働きます。
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バナナ100gあたりカリウム約360mg、マグネシウム約32mgを含みます。
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カリウムはナトリウム排泄を促す一方、カリウム自体も汗で失われるため、熱中症対策には両者の同時補給が不可欠です。
「塩バナナ」の実践方法と効果
山梨県の医師・福田六花氏が考案した「塩バナナ」は、バナナに食塩をふりかけるだけの極めてシンプルな方法です。
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実践例では、トレイルラン大会や建設現場での作業前に塩バナナを摂取することで、熱中症発症率や筋肉のつりが減少したと報告されている。
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作り方:バナナ1本に対し、全体を覆う程度に塩をふりかけるだけ。甘味と塩味が融合し食べやすい。
熱中症対策にはミネラル(ナトリウム・カリウム・マグネシウム)の適切な補給が鍵。バナナ+塩、あるいは自家製の経口補水液を活用し、効率的に水分保持機能を高めましょう。
熱中症対策には塩バナナがいいらしい~!! pic.twitter.com/4496CKRnLm
— MIKEY (@MIKEY73689659) June 30, 2025
熱中症回復を早める食事の工夫と注意点
回復期間の目安と食事のタイミング
熱中症の回復期間は症状の重症度によって大きく異なります。
軽度であれば24時間程度で改善することが多いですが、中等度から重度になると数週間から数か月かかることもあります。
回復期には、食欲がない場合でも水分補給は欠かさないように注意が必要です。
食欲が回復してきたら、消化の良いものから始め、徐々に通常の食事に戻していくことが大切です。回復が思わしくない場合は、無理せず医療機関を受診しましょう。
熱中症回復期に避けるべき食べ物・飲み物
熱中症回復期には、消化に負担をかけるものや、脱水症状を悪化させる可能性のあるものに注意が必要です。
冷たいものの摂りすぎは消化器の働きを低下させ、食欲不振につながることがあります。
また、タンパク質は体温を上げる作用があるため、熱中症の症状が出ている間は摂取を避けるべきとされています。
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには利尿作用があるため、水分補給目的での多量摂取は避けましょう。
熱中症回復をサポートするレシピの紹介
自宅で作れる回復ドリンク
熱中症回復期に最適な手作りドリンクは、市販品よりも個人の症状や好みに合わせて調整できる利点があります。
基本的な経口補水液の作り方は、水1リットルに対し、砂糖大さじ4と1/2(約40g)、塩小さじ1/2(約3g)を溶かし、レモン汁を少々加えるだけです。この配合により、WHO推奨の経口補水液とほぼ同等の電解質濃度を実現できます。
より美味しく飲みやすくするために、麦茶をベースにしたり、薄めたスポーツドリンクに塩を追加したりする方法もあります。
果物を使った回復ドリンクとしては、スイカジュースに少量の塩を加えたものや、バナナと牛乳をミキサーにかけたスムージーなども効果的です。
これらのドリンクは、水分、電解質、エネルギーを同時に補給でき、胃腸への負担も最小限に抑えることができます。作り置きする場合は冷蔵保存し、24時間以内に消費することが安全性の観点から重要です。
コンビニで購入できる回復食品
現代の忙しい生活において、コンビニエンスストアで手軽に購入できる回復食品の知識は非常に実用的です。
経口補水液やスポーツドリンクは最も基本的な選択肢で、各メーカーから様々な味や濃度の商品が販売されています。
食品では、バナナが最も優秀で、エネルギー、カリウム、ビタミンB6を効率的に摂取できます。
おにぎりは消化の良い白米を使用し、梅干しや昆布などの具材により塩分とミネラルも補給できます。ヨーグルトは良質なタンパク質と乳酸菌を含み、消化促進効果も期待できます。ゼリー飲料は水分とエネルギーを同時に摂取でき、食欲がない時でも摂取しやすい特徴があります。
また、塩分補給用のタブレットや飴も、外出先での手軽な電解質補給に有効です。
これらの商品を組み合わせることで、自炊が困難な状況でも効果的な栄養補給が可能になります。

簡単調理の熱中症回復メニュー
熱中症回復期には、調理者自身も体調が優れないことが多いため、簡単で栄養価の高いメニューが求められます。
卵粥は最も簡単で効果的なメニューの一つで、ご飯に水と卵を加えて煮るだけで、炭水化物とタンパク質を同時に摂取できます。
味噌汁にわかめと豆腐を加えたものは、水分、塩分、タンパク質、ミネラルをバランス良く含み、5分程度で調理できます。
バナナヨーグルトは、バナナを潰してヨーグルトと混ぜるだけで、エネルギー、タンパク質、カリウムを効率的に摂取できます。
うどんの温かいかけうどんに卵を落とし、わかめを加えることで、消化の良い総合栄養食となります。
これらのメニューは、調理時間が短く、材料も少なくて済むため、体調不良時でも無理なく準備できます。また、一度に多めに作って小分けして保存することで、頻回の食事にも対応できます。
【熱中症回復の食べ物】Q&A
Q1: 熱中症になったら、まず何を食べるべきですか?
A1: 熱中症発症直後は、固形物よりも液体による水分・電解質補給を最優先してください。経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ頻回に摂取し、嘔吐が治まったらバナナやお粥など消化の良い食品から段階的に始めましょう。無理な食事摂取は症状を悪化させる可能性があるため、体調に合わせて慎重に進めることが重要です。
Q2: 熱中症の回復期に避けるべき食べ物はありますか?
A2: 回復期には、高脂肪食品(揚げ物、脂身の多い肉)、極端に冷たい食品(アイスクリーム、冷たいビール)、刺激の強い食品(辛い料理、香辛料)、食物繊維の多い食品(ごぼう、たけのこ)は避けてください。これらは消化器系に負担をかけ、回復を遅らせる可能性があります。
Q3: 熱中症の回復はどのくらいの期間がかかりますか?
A3: 軽度の熱中症であれば24時間程度で改善することが多いですが、中等度から重度の場合は数週間から数か月かかることもあります。回復期間は個人差が大きく、年齢、基礎疾患、症状の重症度により異なります。翌日になっても倦怠感や食欲不振が改善しない場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
【総括】熱中症の回復に効く食べ物とは?
熱中症からの回復は、適切な食事管理により大幅に改善できます。
最も重要なのは、失われた水分と電解質の迅速な補給で、経口補水液やスポーツドリンクによる段階的な摂取が基本となります。
回復期前半では消化の良いお粥やバナナから始め、後半では豚肉や納豆などのビタミンB1豊富な食品により疲労回復を促進します。
モロヘイヤやスイカなどのミネラル豊富な食品も積極的に摂取し、体内の電解質バランスを正常化させることが重要です。
一方で、高脂肪食品や極端に冷たい食品は避け、少量頻回の食事パターンを心がけましょう。
個人差があるため、症状に応じた柔軟な対応と、必要に応じた医療機関への相談も大切です。
適切な食事により、熱中症からの確実で安全な回復を実現できるのです・・・。