卵の品薄と高騰いつまで続く?【2026年5月終了予測と賢い買い方】

卵品薄いつまで

「また卵が高くなってる…」スーパーの棚を見て、思わずため息をついたことはありませんか?

2025年12月現在、卵の価格は過去最高の308円を記録し、特売でも250円を下回ることが珍しくなりました。毎日の食卓に欠かせない卵だからこそ、この高騰は家計に直撃しています。

「いつになったら安くなるの?」「賞味期限が切れた卵、本当はいつまで食べられる?」そんな不安を抱えているあなたへ・・・この記事では、JA全農たまごや日本養鶏協会の公式データに基づいた「価格が落ち着く時期」の予測と、「賞味期限切れ10日の安全ライン」を徹底解説します。

目次

卵の品薄・高騰はいつまで続く?【最新予測】

現在の深刻な状況:過去最高値308円の衝撃

2025年12月、卵価格がピークを記録

2025年12月、農林水産省の食品価格動向調査において、卵1パック(Lサイズ10個入り)の全国平均価格が308円を記録しました。

これは統計開始以来の過去最高値であり、2023年の「エッグショック」時の価格をも上回る異常事態です。

スーパーの店頭では特売日でも250円を下回ることが珍しく、通常価格では300円台が当たり前という状況が続いています。年末の需要期(クリスマスケーキやおせち料理)と重なったことで、消費者の買い控えが起きる一方、飲食店や製菓業界では仕入れ価格の高騰に悲鳴を上げています。「物価の優等生」と呼ばれた卵の常識が、完全に崩れ去った瞬間と言えるでしょう。

鳥インフルエンザで841万羽が殺処分された現実

この価格高騰の最大の原因は、2024年秋から2025年初頭にかけて日本全国で猛威を振るった高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)です。特に2025年1月には過去最多となる月間34事例が発生し、採卵鶏約841万羽が殺処分される事態となりました。

これは全国の採卵鶏飼養羽数の約6.5%に相当する規模であり、卵の供給体制に壊滅的な打撃を与えました。被害が集中した愛知県や茨城県などの主要産地では、養鶏場の操業停止が相次ぎ、市場への出荷量が急減しました。卸売価格は初市の225円/kgから4月には340円/kgまで跳ね上がり、その影響が現在も消費者価格に直結しています。

杉山 制空

2025年12月の鳥インフルエンザは「すでに進行中」です。野鳥での感染が61件確認されており、1月のピーク時期に向けて感染拡大のリスクが高まっています。

【卵の価格高騰】落ち着くのは「2026年5月以降」

卵の供給回復のタイムライン【月別予測表】

日本養鶏協会(JPA)およびJA全農たまごの公式見通しによると、卵の供給回復と価格安定化は以下のスケジュールで進むと予測されています。

時期供給回復率価格・状況の予測
2025年12月(現在)約7割過去最高値(308円)
年末需要でピーク。品薄が最も深刻。
2026年1月〜2月約8割高止まり継続(280〜300円)
正月需要後も供給不足感が残る。
2026年3月〜4月約8.5割やや下落(260〜280円)
再導入が進むが産卵本格化には時間がかかる。
2026年5月〜6月約9割本格下落開始(220〜250円)
生産が軌道に乗り、需給が均衡方向へ。
2027年春ほぼ平常平常化(180〜220円)
特売で100円台も復活。
杉山 制空

つまり、消費者が「安くなった」と実感できるのは、2026年のゴールデンウィーク明け以降となる見通しです。

卵回復マップ

【卵の価格】専門家が語る「完全回復は2027年春」の根拠

養鶏業界の専門家が「完全回復に2年かかる」と口を揃えるのには、生物学的な理由があります。

鶏の雛(ひよこ)を導入してから卵を産み始めるまでに最低でも約5ヶ月かかり、さらに安定したサイズ(MやL)の卵を産むようになるまでにはプラス1〜2ヶ月を要します。

つまり、今日雛を導入しても、市場に出荷できる卵が安定供給されるのは半年以上先ということです。また、被災した養鶏場では鶏舎の消毒や防疫措置に時間がかかり、再導入自体が遅れているケースも少なくありません。こうした「生産までのタイムラグ」が積み重なることで、供給の完全回復は2027年春頃にずれ込むと予測されています。


卵の品薄・高騰の「3つの真犯人」

【卵の品薄・高騰】真犯人①:鳥インフルエンザの甚大な被害

過去最悪規模の流行が生産現場を直撃

2024年から2025年にかけての鳥インフルエンザの流行は、日本の養鶏史において最悪規模の被害をもたらしました。特に冬季の渡り鳥シーズンに感染が拡大し、一つの農場で感染が確認されると、周辺農場を含めて数万羽単位での殺処分が行われました。

杉山 制空

愛知県では県内最大級の養鶏場が被害を受け、一度に10万羽以上が失われるという衝撃的な事例もありました。

養鶏農家は経済的損失だけでなく、長年育ててきた鶏を失う精神的ダメージにも苦しんでいます。感染拡大を防ぐための厳重な防疫体制が敷かれている現在も、2025年冬の再流行リスクがゼロではなく、業界全体が緊張状態にあります。

再導入から産卵まで「最低5ヶ月」のタイムラグ

鳥インフルエンザからの回復が遅れる最大の理由は、「鶏の成長スピード」という生物学的な制約です。

雛が孵化してから初めて卵を産むまでには約120〜150日(約4〜5ヶ月)かかります。さらに、産み始めの卵は「SS」や「S」といった小さいサイズで、市場で求められる「M」「L」サイズになるまでにはさらに1〜2ヶ月を要します。つまり、被災農場が今日雛を導入したとしても、スーパーの棚に並ぶまでには最短でも半年以上かかるということです。この「どうしようもない時間」が、価格高騰の長期化を招いている最大の要因なのです。人間の努力や資金投入では短縮できないこの壁が、私たちの食卓に重くのしかかっています。

【卵の品薄・高騰】真犯人②:猛暑による「ニワトリの夏バテ」

記録的高温が産卵率を低下させた

2025年の夏は記録的な猛暑となり、人間だけでなくニワトリにも深刻な影響を与えました。

ニワトリは暑さに弱い動物で、気温が30℃を超えると体温調整が困難になり、食欲不振や産卵率の低下を引き起こします。特に7月から9月にかけて、全国の養鶏場で「夏バテ」による産卵数の減少が報告されました。通常であれば1羽あたり年間約280〜300個の卵を産むとされていますが、猛暑の影響でこの数字が大幅に下回ったのです。鶏舎の冷房設備を強化する養鶏場も増えていますが、そのための電気代も高騰しており、コスト増が価格に転嫁される悪循環が生まれています。気候変動が卵価格に直結する時代が到来したと言えるでしょう。

消費者が知らない「気候変動と卵価格」の関係

実は、猛暑による影響は産卵率の低下だけにとどまりません。高温環境では、ニワトリの免疫力が低下し、病気にかかりやすくなるため、抗生物質や予防薬のコストも増加します。

また、暑さでストレスを受けたニワトリは卵の殻が薄くなったり、黄身の色が薄くなったりと、品質面でも問題が生じます。こうした「規格外卵」は市場に出荷できず、廃棄されるため、結果的に流通量がさらに減少します。さらに、飼料の保存にも影響が出ます。高温多湿の環境では飼料が傷みやすく、カビや腐敗のリスクが高まるため、廃棄ロスが増えてコストが上がります。私たちが店頭で見る「1パック300円」という価格の裏には、こうした見えないコストが積み重なっているのです。

【卵の品薄・高騰】真犯人③:円安と飼料価格の高騰

輸入飼料への依存が招いたコスト増

日本の養鶏業が使用する飼料の約6〜7割は、トウモロコシや大豆粕などの輸入原料に依存しています。そのため、為替レートの変動が直接的に生産コストに跳ね返ります。2024年から2025年にかけて円安が進行し、1ドル=150円台を記録する場面もありました。この影響で、飼料価格は前年比で約10〜15%上昇しています。さらに、ロシア・ウクライナ情勢や中東の地政学的リスクにより、海上輸送費(運賃)も高騰しており、二重三重のコスト増が養鶏農家を直撃しています。養鶏業界団体の試算では、飼料代は卵の生産コストの約6〜7割を占めるため、この上昇分を吸収することは不可能に近く、価格転嫁が避けられない状況です。

「100円台の卵」はもう戻らない理由

多くの消費者が「卵は1パック100円」という感覚を持っていますが、残念ながらその時代は終わったと言わざるを得ません。

飼料価格の高騰に加え、光熱費(電気・ガス)、人件費、物流費といったあらゆるコストが上昇しており、供給量が回復しても「昔の価格」には戻らない構造が固まっています。専門家の分析では、2027年に供給が完全回復した後の「新しい適正価格」は、1パック200円〜250円程度になると予測されています。つまり、今後は「200円台前半なら安い」という新しい価格感覚にシフトする必要があります。かつての「100円で買えた卵」は、もはやデフレ時代の遺物となりつつあるのです。この現実を受け入れ、無駄なく使い切る工夫にシフトすることが、家計を守る新しい常識となるでしょう。


今すぐできる!卵を賢く買う節約術

【卵の価格】ドラッグストアが最強の理由

スーパーより平均20円安い価格戦略

卵を少しでも安く買いたいなら、まず向かうべきはドラッグストアです。

全国調査のデータによると、2024年時点でドラッグストアの卵平均価格は185.8円、スーパーは204.6円と、約20円の差があります。なぜドラッグストアが安いのか?それは「ロスリーダー戦略」と呼ばれるビジネスモデルによるものです。ドラッグストアは、利益率の高い医薬品や化粧品で十分な利益を確保できるため、卵を「客寄せ商品」として赤字覚悟で安売りしています。全国のドラッグストアの約90%が卵を取り扱っており、価格競争が激しいため、常時スーパーより安い傾向があります。特にウエルシアやコスモス薬品といった大手チェーンでは、毎週決まった曜日に特売を実施しており、狙い撃ちすることで大きな節約効果が期待できます。​

ウエルシア・コスモスの特売日を狙え

ウエルシアでは、毎週月曜日に卵の特売を行う店舗が多く、さらに毎月20日の「お客様感謝デー(ウエル活)」では、Tポイントやマイナポイントを使うことで実質33%オフで購入できます。例えば、通常228円の卵が実質約152円で手に入る計算です。

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杉山 制空

コスモス薬品でも、記念セールや週末特売で229円程度の価格設定が確認されています。これらの情報は、スマートフォンアプリの「Shufoo!(シュフー)」や各店舗の公式アプリで簡単にチェックできます。毎週火曜日または水曜日に新しいチラシが更新されることが多いため、習慣的にチェックすることで、買い忘れや無駄な買い物を防ぐことができます。「卵を買う前にアプリを開く」を習慣化するだけで、年間3,000円〜5,000円の節約も夢ではありませんよ。

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2026年1月中旬が「買い時」になる理由

年末需要終了後の「在庫処分セール」を活用

現在(2025年12月末)は年末の需要ピークで価格が最も高い時期ですが、2026年1月中旬以降には状況が一変する可能性があります。

クリスマスケーキやおせち料理、お正月のご馳走需要が一段落すると、卵の消費量が急激に落ち込みます。

この「需要の谷間」を狙って、スーパーやドラッグストアが在庫処分や集客目的の特売を仕掛けてくる可能性が高いのです。特に、1月15日前後から月末にかけては、新年度に向けた売上確保のため、目玉商品として卵を大幅値引きするケースが増えます。この時期を狙って、冷凍保存可能な「溶き卵」にして保存するなど、まとめ買いの工夫をすれば、高騰期を賢く乗り切ることができます。カレンダーに「1月15日:卵特売チェック」とメモしておくだけで、買い物の効率が格段にアップします。

開店直後と15時台が入荷の狙い目

品薄が続く現在、「卵を買いに行ったのに売り切れていた」という経験をした人も多いでしょう。確実に卵を手に入れるためには、入荷のタイミングを知ることが重要です。

多くのスーパーやドラッグストアでは、朝の開店前に前日夜または早朝に届いた商品を陳列するため、開店直後(9時〜10時)が最も在庫が豊富です。また、午後便の配送がある店舗では、15時〜16時頃に追加入荷されることが多いです。

杉山 制空

店員さんに「卵はいつ入荷しますか?」と直接尋ねるのも有効な方法です。特に、ドラッグストアはスーパーよりも入荷頻度が高く、売り切れのリスクが低い傾向があります。朝一番の買い物が難しい人は、夕方の「第二の狙い目」を活用しましょう。時間帯を工夫するだけで、確実性が大きく変わりますよ。​

賞味期限切れの卵、本当はいつまで食べられる?

「賞味期限」は生食の期限!加熱なら延長可能

日本の卵が安全な理由とサルモネラ対策

日本の卵は世界でも珍しく「生で食べることを前提」として流通しています。そのため、パックに記載されている賞味期限は、「安心して生卵(TKG:卵かけご飯など)で食べられる期限」を示しています。

この期限は、サルモネラ菌による食中毒を防ぐために、厳格な科学的根拠に基づいて設定されています。日本卵業協会の基準では、卵の中心温度が10℃以下で保存された場合、サルモネラ菌が増殖しない期間を「賞味期限」としています。つまり、この日付を過ぎたら即座に腐るわけではなく、あくまで「生食の安全保証期限」なのです。加熱調理を前提とすれば、期限切れ後も一定期間は安全に食べることができます。この事実を知っているだけで、無駄な廃棄を大幅に減らすことができます。

夏場16日・冬場57日の科学的根拠

卵の賞味期限は、季節によって大きく異なります。食品安全委員会のデータによると、卵を10℃以下で保存した場合、サルモネラ菌の増殖を抑えられる期間は以下の通りです​

  • 夏季(7〜9月):産卵後約16日以内
  • 春秋季(4〜6月、10〜11月):産卵後約25日以内
  • 冬季(12〜3月):産卵後約57日以内

実際の市販卵の賞味期限は、パック詰めから約14日程度で設定されることが多く、かなり余裕を持った安全設計になっています。つまり、冬場に購入した卵であれば、賞味期限が切れてもさらに1〜2週間は十分に加熱すれば食べられる可能性が高いということです。ただし、これは「冷蔵庫で適切に保存していた場合」に限られます。常温放置や温度変化が激しい場所に置いていた場合は、この限りではありません。

卵の期限切れ後の「安全ライン」を専門家が解説

冷蔵保存で10日までは加熱調理OK

養鶏家や食品衛生の専門家によると、冷蔵庫(10℃以下)で適切に保存されていた卵であれば、賞味期限切れから10日〜2週間程度は十分に加熱調理すれば食べても問題ない場合がほとんどです。ただし、以下の条件を必ず守る必要があります:

  1. 殻にヒビや割れがないこと(ヒビから菌が侵入するため絶対NG)
  2. 冷蔵庫の奥など、温度変化の少ない場所で保存していたこと(ドアポケットは不可)
  3. 割った瞬間に異臭や変色がないこと
  4. 中心部まで完全に火を通すこと(半熟は危険)
杉山 制空

例えば、「期限切れ5日」であれば、ゆで卵や卵焼き、炒り卵など、しっかり加熱する料理なら問題ありません。「期限切れ10日」の場合は、煮込み料理やカチカチに焼いた目玉焼きなど、より確実に火が通る調理法を選びましょう。逆に、半熟卵や温泉卵、スクランブルエッグ(半熟状態)は避けるべきです。

絶対NGな「半熟」と安全な「完全加熱」の境界線

食品衛生の観点から、サルモネラ菌を完全に死滅させるには、卵の中心温度が75℃以上で1分間以上加熱することが必要です。これは厚生労働省が定める食中毒予防の基準です。具体的には以下のような調理法が「安全」とされます​

  • 安全な調理法(期限切れ10日まで)
    • 固ゆで卵(沸騰後12分以上)
    • 完全に火が通った卵焼き
    • 炒り卵(パラパラになるまで)
    • オムレツ(中まで完全に火が通ったもの)
    • 煮込み料理(カレー、シチュー、おでんなど)
  • NGな調理法(期限切れ卵では危険)
    • 半熟ゆで卵
    • 温泉卵
    • ポーチドエッグ
    • サニーサイドアップ(片面焼き目玉焼き)
    • 親子丼やカツ丼の「とろとろ卵」
杉山 制空

境界線は「黄身が完全に固まっているか」です。少しでも「とろっ」としていたら、期限切れ卵では絶対にNGです。安全第一で調理しましょう。

危険!腐った卵の見分け方と正しい保存法

たった3秒でわかる「鮮度チェック法」

水に浮かべるだけ!古い卵は浮く理由

賞味期限が切れた卵を食べる前に、必ず鮮度をチェックしましょう。

最も簡単で確実な方法が「水に浮かべるテスト」です。

【やり方】

  1. ボウルやコップに水を張る
  2. 卵をそっと入れる
  3. 卵の浮き方を観察する

【判定基準】

  • 新鮮な卵:完全に沈んで横たわる
  • やや古い卵:斜めに立つ(加熱すればOK)
  • かなり古い卵:完全に浮く(廃棄推奨)
卵の新鮮度チェック

なぜ古い卵は浮くのでしょうか?それは、卵の内部で時間とともにガス(二酸化炭素)が発生し、卵の中の「気室」が大きくなるためです。新鮮な卵はほとんど気室がないため水に沈みますが、古くなると気室が膨張して浮力が生まれ、浮いてしまうのです。完全に浮いた卵は、たとえ加熱しても食べないほうが無難です。

割った瞬間の「臭い・色・形」でわかる腐敗サイン

水に浮かなくても、割った瞬間に以下のサインが一つでもあれば、即座に廃棄してください:

【絶対NGな腐敗サイン】

  1. 臭い:硫黄のようなツンとする臭い、生ゴミのような腐敗臭がする
  2. 黄身の状態:黄身がすぐに崩れる、形が保てない、色が極端に薄いまたは濁っている
  3. 白身の状態:水のようにシャバシャバで粘り気が全くない、変色している(ピンクや緑がかった色)
  4. 異物:カビや黒い斑点が見える

【新鮮な卵の特徴】

  • 黄身がぷっくりと盛り上がり、箸でつまんでも崩れにくい
  • 白身に2層構造があり、内側の白身が盛り上がっている
  • 無臭、または微かな卵特有の香りのみ
杉山 制空

少しでも「おかしいな」と感じたら、もったいなくても捨てる勇気を持ちましょう。食中毒のリスクと比べれば、1パック300円は安いものです。

プロが教える「卵の寿命を延ばす保存術」

ドアポケットは絶対NG!正しい冷蔵庫の場所

多くの冷蔵庫にはドアポケットに卵専用のホルダーが付いていますが、実はこれが最も卵の保存に不向きな場所です。ドアポケットは以下の理由で卵の鮮度を低下させます​

  1. 温度変化が激しい:ドアの開閉のたびに温度が上がり、結露が発生しやすい
  2. 振動が加わる:ドアを開け閉めするたびに卵が揺れ、黄身が崩れやすくなる
  3. 外気に触れやすい:冷蔵庫内で最も外気の影響を受けやすい場所

【正しい保存場所】

  • 冷蔵庫の奥の棚(野菜室の上など、温度が最も安定している場所)
  • パックのまま保存(パックが衝撃や乾燥から卵を守る)
  • 尖った方を下に向ける(丸い方に気室があり、上にすると黄身が安定する)

この3つを守るだけで、卵の寿命が1週間以上延びることもあります。今日から冷蔵庫の配置を見直しましょう。

卵の保管

パックのまま保存が最強の理由

卵を買ってきたら、パックから出さずにそのまま冷蔵庫に入れるのが正解です・・・その理由は以下の通りです。​

  1. 衝撃から守る:パックのクッション性が卵を保護し、殻が割れるリスクを減らす
  2. 乾燥を防ぐ:卵の殻には無数の小さな穴(気孔)があり、乾燥すると中身が劣化しやすい。パックが湿度を保つ
  3. 臭い移りを防ぐ:卵の殻は臭いを吸収しやすいため、冷蔵庫内の他の食品の臭いが移るのを防ぐ
  4. 賞味期限が一目でわかる:パックに印刷された日付をいつでも確認できる

一見すると場所を取るように見えますが、卵の鮮度を保つ効果を考えれば、パック保存は最もコスパの良い方法です。ドアポケットの卵ホルダーは、今日から使うのをやめましょう。


期限切れ10日の卵、食べても大丈夫?【Q&A付き】

「10日切れ」のボーダーラインと自己責任の範囲

加熱前提なら「ギリギリ食べられる」条件

「賞味期限が10日過ぎた卵、捨てるのはもったいない…」そんな時、食べるか捨てるかの判断基準を明確にしましょう。専門家の見解では、以下の全ての条件を満たす場合に限り、自己責任で食べることが可能とされています。​

【10日切れ卵を食べるための絶対条件】

  1. 購入後すぐに冷蔵庫(10℃以下)の奥で保存していた
  2. 殻にヒビや割れが一切ない
  3. 水に浮かべて「完全に沈む」または「やや斜めに立つ程度」
  4. 割った瞬間に異臭や変色がない
  5. 中心まで完全に火を通す調理法を選ぶ(75℃以上で1分以上)
杉山 制空

これら全てをクリアした場合のみ、固ゆで卵や完全に火を通した卵焼き、煮込み料理などで食べることができます。ただし、小さなお子さん、妊婦さん、高齢者、免疫力が低下している方には絶対に食べさせないでください。万が一食中毒になった場合、重症化するリスクが高いためです。

冷凍保存という裏ワザで賞味期限を延長

溶き卵にして冷凍で1ヶ月保存する方法

「安い時にまとめ買いしたい」「期限が近い卵を無駄にしたくない」そんな時に使える裏ワザが冷凍保存です。ただし、卵は殻のまま冷凍すると中身が膨張して殻が割れるため、必ず殻を割ってから冷凍します。

【溶き卵冷凍の手順】

  1. 新鮮な卵(賞味期限内)を割ってボウルに入れる
  2. よく溶きほぐす(白身の塊がなくなるまで)
  3. 小分けにする(製氷皿、ジップロック、小さめの保存容器など)
  4. 空気を抜いて密閉し、冷凍庫へ
  5. 保存期間:約1ヶ月

【解凍・使い方】

  • 冷蔵庫でゆっくり解凍(前日夜に移す)
  • オムレツ、卵焼き、炒り卵、お好み焼きなどに使用
  • 再冷凍は絶対NG

溶き卵にすることで、必要な分だけ解凍して使えるので、一人暮らしの方にも便利です。ただし、解凍後は生食せず、必ず加熱調理してください。

薄焼き卵にして冷凍する「お弁当用ストック」

もう一つの便利な冷凍方法が、薄焼き卵(錦糸卵)にしてから冷凍する方法です。これはお弁当や朝食の彩りに大活躍します。

【薄焼き卵冷凍の手順】

  1. 卵を溶いて、砂糖・塩で軽く味付け
  2. フライパンで薄く焼く(厚さ2〜3mm程度)
  3. 完全に冷ます
  4. 1枚ずつラップで包む
  5. ジップロックに入れて冷凍庫へ
  6. 保存期間:約1ヶ月

【使い方】

  • 自然解凍でそのままお弁当に入れる
  • 細く切って錦糸卵として散らす
  • ラーメンやうどんのトッピングに

冷凍しておけば、朝の忙しい時間でもサッとお弁当の彩りを追加できます。卵が安い時にまとめて作っておけば、高騰期の強い味方になります。


《総括》卵品薄いつまで続く?卵高騰時代を賢く乗り切る完全ガイド

卵の価格高騰に直面している今、あなたが今すぐできる5つのアクションをまとめます。

1. スマホアプリで特売情報をチェックする習慣をつける
「Shufoo!」や各ドラッグストアの公式アプリをダウンロードし、毎週火曜・水曜の新チラシ更新をチェックしましょう。ウエルシアは月曜特売、20日はウエル活で実質33%オフです。5分の習慣で年間数千円の節約になります。​

2. 冷蔵庫の卵の置き場所を今すぐ変える
ドアポケットから卵を取り出し、パックのまま冷蔵庫の奥の棚に移動させてください。尖った方を下にして置きましょう。これだけで卵の寿命が1週間以上延びます。

3. 賞味期限切れ卵を「水に浮かべるテスト」で判定する
捨てる前に必ず水に入れてみましょう。沈めば加熱調理でまだ食べられます。浮いたら廃棄。この習慣で食品ロスが激減します。

4. 2026年1月中旬のカレンダーに「卵特売チェック」とメモする
年末需要が終わる1月15日前後から、在庫処分セールが始まる可能性が高いです。この時期を逃さないよう、スマホのリマインダーに登録しましょう。

5. 安い時に買った卵を「溶き卵冷凍」でストックする
製氷皿やジップロックで小分け冷凍すれば、1ヶ月保存可能です。次に特売があったら、ぜひ試してみてください。朝の時短にも役立ちます。

杉山 制空

卵の完全な価格回復には2027年春までかかりますが、この5つのアクションを実践すれば、高騰の影響を大幅に軽減できます。「知っている」だけでなく「実行する」ことが、家計を守る最強の武器です。明日の朝食から、さっそく始めてみませんか?


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