「トマト高っ!」と売り場で固まった方も多いのではないでしょうか。2025年冬のトマトは、なんと平年比164%という異常な高値水準に達しており、「さすがに買えない」「お弁当の彩りをあきらめた」という声も増えています。
本記事では、家計を直撃している“トマトショック”の背景にある気象災害や生育不良、端境期の問題などをわかりやすく解説しつつ、「この高値はいつまで続くのか?」という最大の疑問にも答えます。
ぜひ最後まで読んで家計防衛のヒントにしてください。
【2025年12月】トマト価格高騰の現状

「トマト1個あたりの値段」実際の店頭価格はいくら?
2025年12月初旬、スーパーの青果売り場では驚きの値札が並んでいます。通常なら1個100円前後で購入できる大玉トマトが、現在は1個200円〜300円という価格で販売されているケースが続出しているのです。
杉山 制空ネットスーパーのデータを見ても、トマト1個が税込213円〜538円と幅がありますが、平均的には250円前後という高値が定着しています。
現在のトマト価格は平年比164%の異常事態
2025年12月のトマト卸売価格は、**平年と比較して約164%**という極めて高い水準で推移しています。具体的な数字で見ると、12月4日時点の全国主要卸売市場でのトマト価格は1キロあたり913円から1,163円で取引されており、通常は500円から600円程度が平年値であることから、その異常さが明らかです。
前月の11月中旬には、さらに衝撃的な数値が記録されました。11月7日には1キロあたり1,225円という過去最高値を更新し、平年の約2.4倍という驚異的な高さを記録しました。
このレベルの高騰は過去10年でも記憶にない出来事であり、スーパーでも4個で600円を超える価格帯が見られるなど、消費者にも飲食店にも深刻な打撃を与えています。
ミニトマトも高騰中!現在の価格状況


ミニトマト1パックの価格は今いくら?
「大きなトマトが高いなら、ミニトマトで代用しよう」と考えた消費者も多いはずですが、残念ながらミニトマトも同様に高騰しています。
トマトが高いのはなぜ?理由を徹底解説|3つの主要原因
①【最大要因】熊本県を襲った8月の記録的豪雨
農地の9割が冠水した被害の実態
今回のトマト高騰の最大の原因は、日本一の冬春トマト産地である熊本県を襲った8月の記録的豪雨です。この豪雨により、被害の大きかった地域では農地の約9割が冠水するという壊滅的な被害が発生しました。
苗の植え直しによる出荷遅れと収穫量減少
豪雨で被害を受けた農家は、枯れてしまった苗を植え直すという作業を余儀なくされました。この「植え直し」が、現在の出荷遅れに直結しています。通常であれば11月初旬から本格的に始まるはずの熊本県産トマトの収穫が大幅に遅れ、市場への供給が滞っています。



報道によると、現在の収穫量は平年の6〜7割程度に留まっており、絶対的な「モノの数」が足りていません。トマトは苗を植えてから収穫までに一定の期間が必要であり、1〜2ヶ月の遅れは簡単には取り戻せません。さらに、被害を受けた農家の中には、経済的な理由や高齢化により作付けを断念したケースもあり、構造的な供給力の低下も懸念されています。この供給不足が、市場での価格競争を激化させ、高騰を招いているのです。
②栃木・愛知など他産地でも続く天候不順
11月の急激な気温低下が生育にブレーキ
熊本の被害だけでなく、他の主要産地でも天候不順が続いています。
青いまま入荷するトマトが続出している理由


市場関係者からは「青いままのトマトが入荷している」という報告が相次いでいます。
通常、トマトは真っ赤に熟してから出荷されるのが基本ですが、現在は十分に色づいていない青みがかったトマトが市場に並ぶケースが増えています。これは、生育の遅れにより本来の出荷タイミングを逃してしまったこと、そして需要に対して供給が圧倒的に足りないため、多少青くても出荷せざるを得ない状況にあることを示しています。



青いトマトは味も甘みも不十分であり、消費者にとっては「高いのに美味しくない」という不満につながりますが、農家としても苦渋の判断です。天候不順による生育不良は短期間では解決できず、年内いっぱいは同様の状況が続くと予想されています。全国的に「質の良い赤いトマト」の絶対数が不足していることが、価格を押し上げている一因です。
③夏の猛暑が引き起こした「後遺症」
高温ストレスによる株の体力低下
豪雨や寒波だけでなく、2025年の夏に日本列島を襲った記録的な猛暑の影響も、現在のトマト不足に大きく影響しています。
トマトはいつから安くなる?今後の価格見通し
12月中旬は一時的に落ち着く可能性あり
農水省と気象情報の予測を読み解く
では、トマトの価格はいつ頃から安くなるのでしょうか。
農林水産省の野菜価格見通しと気象情報会社の予測を総合すると、12月中旬(20日頃まで)は一時的に価格の上昇が緩やかになる、あるいは若干落ち着く可能性があります。



ウェザーニューズの野菜予報では「トマトとキュウリは秋は高値でしたが冬は落ち着いてきます。20日くらいまでは大丈夫」とコメントしています。これは、遅れていた産地の出荷が少しずつ回復し、市場への供給量が増えてくるためです。ただし、「落ち着く」といっても平年並みに戻るわけではなく、高値水準が「超高値」から「高値」になる程度と考えるべきです。この時期を狙って、まとめ買いや冷凍保存を検討するのも一つの手です。
【トマトの価格】12月20日頃までが狙い目になる理由
なぜ12月中旬が狙い目なのかというと、熊本県産をはじめとする冬春トマトの出荷が徐々に本格化し始めるタイミングだからです。8月に植え直した苗が、ようやく収穫できる段階に入ってきます。また、栃木県や愛知県などの他産地でも、11月の寒波による生育遅れから回復してくる時期に当たります。市場に出回るトマトの絶対数が増えれば、需要と供給のバランスが改善され、価格は自然と落ち着きます。
この時期は、スーパーの特売チラシやネットスーパーのセール情報をこまめにチェックすることをお勧めします。少しでも安いタイミングを見つけたら、多めに購入して冷凍保存(カットして冷凍すれば煮込み料理に使える)や、トマトソースに加工しておくなど、工夫次第で家計の負担を減らすことができます。
【トマトの価格】年末年始は再び高騰する「年末相場」に注意
クリスマス・正月需要で価格が再上昇
12月中旬に一息つけたとしても、安心はできません。12月下旬から年末年始にかけては、再び価格が上昇する傾向があります。これは「年末相場」と呼ばれる現象で、クリスマスパーティーや年越し、お正月のオードブルなど、トマトを使ったサラダや料理の需要が年間で最も高まる時期だからです。需要が急増すれば、当然ながら価格も上がります。気象情報でも「年末はどうしても値上がりしますが、それほど極端なことにはならない」と予測されていますが、それでも12月中旬よりは高くなる可能性が高いです。特に12月24日〜31日にかけては、スーパーでもトマトの特売が減り、定価販売が中心になります。この時期に「トマトが安くなった」と思って大量購入するのは避け、必要最小限に留めるのが賢明です。
【トマトはいつから安くなる?】本格的な価格安定は2026年1月中旬以降
熊本県産の出荷ピークがカギを握る
本当の意味で価格が「平年並み」に戻り、安定して安く買えるようになるのは、2026年1月中旬以降と予想されます。理由は、熊本県産をはじめとする冬春トマトの生育が完全に回復し、出荷のピークを迎える時期がこの頃だからです。熊本県産トマトは、通常であれば12月から出荷が本格化しますが、今年は豪雨被害による植え直しの影響で、ピークが1〜2ヶ月後ろ倒しになっています。1月中旬以降になれば、遅れていた分が取り戻され、市場への供給量が潤沢になると見込まれています。供給量が増えれば、価格は自然と下がります。春にかけては、さらに出荷量が増えるため、価格はこなれていくはずです。「トマトが気軽に買える日常」が戻ってくるのは、年が明けてからと考えておきましょう。
『トマトが高いのはなぜ?』よくある質問(Q&A)
Q1. トマトはいつから安くなりますか?
A. 本格的に安くなるのは2026年1月中旬以降と予想されています。熊本県産をはじめとする冬春トマトの出荷が本格化し、供給量が回復する時期です。ただし、12月中旬(20日頃まで)は一時的に落ち着く可能性があります。年末年始は需要増加により再び高騰する傾向があるため、12月中旬が一つの買い時と言えます。春にかけて出荷量が増えれば、価格は平年並みに戻っていくでしょう。
Q2. トマトの値上げはなぜ行われるのですか?(2025年の場合)
A. 今回の価格高騰は、小売店による値上げではなく、圧倒的な供給不足による市場価格の高騰が原因です。2025年8月の熊本豪雨で農地が冠水し、苗の植え直しによる出荷遅れが発生しました。さらに夏の猛暑と秋の寒波が追い打ちをかけ、全国的に生育不良が発生しています。市場に出回るトマトの絶対数が足りず、需要に対して供給が追いつかないため、価格が競り上がっているのです。
Q3. トマトを毎日食べると体にどんな変化がありますか?高いけど食べる価値はありますか?
A. トマトにはリコピンやビタミンCが豊富に含まれ、美肌効果、シミ予防、生活習慣病予防、むくみ改善、疲労回復など、多くの健康効果が期待できます。研究では、毎日トマトを食べることでコレステロールや中性脂肪の値が改善されたという報告もあります。ただし、生トマトが高すぎる場合は、栄養価が凝縮されたトマトジュースやトマト缶で代用するのがおすすめです。加熱調理ならリコピンの吸収率も高まり、コスパ良く健康効果を得られます。


《総括》トマトが高いのはなぜ?から伝えたいこと
「トマトが高い」「いつ安くなるの?」という疑問を持ってこの記事にたどり着いたあなたに、最後にお伝えしたいことがあります。
2025年冬のトマト高騰は、私たちの生活に直結する深刻な問題です。
トマトを作る人々も、私たちと同じように苦しんでいます。



本格的な価格安定は2026年1月中旬以降と予想されています。春には、再び真っ赤なトマトが手頃な価格で食卓に戻ってきます。それまでの辛抱です。今は、知恵と工夫で乗り切る時期。農家の方々の努力が実を結び、市場に豊かなトマトが並ぶ日を、一緒に待ちましょう。
この記事が、あなたの「トマト高い問題」を少しでも解決する助けになれば幸いです。

